2006年9月2日

私はレバノンにもイスラエルにも友人がいます。このため、今回のレバノン紛争では、大変複雑な気持ちにさせられました。レバノンで1200人が死亡し、その内の3分の1が子どもだったことは、重大な問題です。しかしヒズボラも、今回の戦闘のきっかけとなった兵士拉致事件の前から、イスラエル北部にカチューシャロケットを撃ち込んできました。イスラエルはレバノン南部から撤退したことによって、安全を確保できず、むしろロケット攻撃を受けるようになるという苦い経験を持っています。

今日イタリアが国連平和維持軍の先陣として、レバノンに上陸しました。だが国連安保理の決議は、ヒズボラの武装解除を平和維持軍に命じていません。これは安保理決議の大きなアキレス腱だと思います。イスラエルが停戦の前提としている、ヒズボラの武装解除が実現しない限り、戦闘が再開されるのは、時間の問題でしょう。

ところでイランがウラン濃縮を停止しない意向を発表していることから、イランに対する経済制裁は避けられない情勢です。イランにとって最大の貿易相手国であるドイツにとっては、機械、自動車、化学製品などをイランへ輸出できなくなり、大きな打撃となりそうです。